Please reload

最新記事

#1 人を笑顔にする仕事|立川吉笑

August 18, 2017

 

 

ゲストは落語家の立川吉笑さん。
お笑い芸人を経て落語立川流の立川談笑に入門。わずか1年5ヵ月のスピードで二ツ目に昇進されてご活躍中の方です。なぜ落語かというと、伝統的な話芸の一種であるけれども、古典芸能の枠組みをリスペクトしながら凌駕し、ネットの広がりとともにポップカルチャーに慣れた若者にも楽しんでもらえるコンテンツを発信しているその独特のセンスはとても魅力的。業界は違えども私の周囲にいるクリエイティブな皆さんにまずは紹介したいと思い企画しました。
(更に詳しい経緯はこちら


内容は、吉笑さんがすごいパワーで展開してくれて大盛り上がり。
打ち上げも遅い時間だから、少人数だろうという予想に反して、大人数。
盛り上がりの熱に私も圧倒されてあっという間に終電過ぎ、ちょっと皆さんを酔わせ過ぎた。。

急なお盆最中の呼びかけにもかかわらず、参加してくれた皆様ありがとう!
当日イレギュラーが重なって、目が届かずバタバタしてしまったけれど友達がよってたかって助けてくれて大感謝。

終演、吉笑さんから何か変な思考のスイッチを押されたようで、みんな目がキラキラして顔に笑みを溜めていたのでよかった、よかった(笑)。
 

 


●頂戴した感想です●

「前代未聞」を追う落語界の織田信長・立川吉笑【『サイノウラボ』に行ってきたよ】

 

>Hiraku Mimuraさんからのレポート↓
 

【第一部:落語】
噺の枕を兼ねて吉笑さんが落語の道に足を踏み入れるまでの経緯などの話をしていたのだが、まず何よりも興味深かったのが堀川高校時代の「自由研究」。

テーマを決めて自由に思考を巡らせ・実験するという中で高1の吉笑さんが選んだのはプラス記号とマイナス記号の間にあるもの。2と0の間を連続的に位相する記号の表現をプラス記号の縦線の長さで捉えるという着眼点も然ることながら、それが確からしさを持って成立する表現を考えるという方向性は思考プロセスとして非常に興味深い。これを数直線に投影したら数の概念を任意のポイントで区画するデデキント切断につながるものだろうか。
 

その後も長方形の部屋を均質に照らすことができる照明の配置を数年に渡って考え続けるであるとか、ゆうパックで最もコストパフォーマンスのよい形状とその理論的裏付け(高次の相加相乗平均について聞くことになるとは。。。)という問題設定をコンビニのバイトで考えつくあたり、非凡さを感じる。
 

その後、落語という表現の興味深いポイントとして「道具がないことによる自由」を挙げていたけれど、これは納得した。観客がどのようなイメージをするかがすべてである一方で、それ故の自由度の高さは(それを大道具やCGで表現するのはとてもお金も時間もかかる点も含めて)確かに不自由がゆえの自由。赤鬼と青鬼がいる世界で「顔色の悪くなった赤鬼」や「腹を立てた青鬼」はどのような顔色になるのか、という思考実験のデモンストレーションは声色一つで世界を描き出す技術の凄さと相俟って非常に引き込まれた。
 

第一部のメイン創作落語『くじ悲喜』については、視点の入れ替わりの面白さも然ることながら、人間心理と社会性に対する意地悪い見方が私のツボだった。クジの人間性(?)が置かれた立場でころっと変わる辺り、情け容赦のない一面の真実をついていると感じたし、何よりも誰が一番ましかという評価がそれぞれの時点で転々とするのもまた極めて現実的。


【第二部:トークショー】
前半で面白いエピソードが満載だったこともあって最初は中々やりづらそうな感じもあったけれど、実際には吉笑さんの辿ってきたキャリアの来し方行く末が垣間見られて、こちらも非常に興味深かった。特に落語に関するギルド的な協会が綿密に設計された互助組織として機能しているという辺りは、お話を聞くまで欠片も想像すらしなかった。

仕事欲しさにダンピングする人が出ないように、基準を下回る金額の仕事は下のクラスの人たち(真打>二ツ目>前座)に回す取り決めをするというのは合理的。下のクラスの人たちに上の人達が断った仕事が回れば結果的に下の人たちも潤うという構造は、効果的に価格の下支えと生活の保証を担保する。一将功成りて万骨枯るを地で行くような吉本のエピソードと対比されていたからというのもあるだろうが印象的。
 

吉笑さんの仕事ポリシー的なお話でいうと興味深かったのが、落語を「伝統芸能」と捉えるか「大衆芸能」と捉えるかでスタンスが大きく異るという見解。そのような両面性はどのような芸能にもあるのだろうけれど、落語の場合、古典落語というものが成立したのが1920年代ということもあって軸足をどちらに置くかによってかなりの乖離が生まれる側面もあるのかなという印象。そこで両方に目配りできて裾野を広げつつ、守るべきものを守っていくことができる人が超一流、というお話も納得。
 

そういう意味では吉笑さんは、学校と落語をつなぐ架け橋的なアプローチの企画などを戦略的に仕掛けていて当にこれから先を作り出していく(伝統のいい部分は残しつつ)人なのだろう。それ故に、『虚数の情緒』の著者の吉田武さんに気に入られて喫茶店でお茶することになったり、後にどこかの研究施設に連れられて行きマジックハンドの体験をすることになったりもするのだろう。

 

 

Share on Facebook
Share on Twitter
Please reload

Please reload

タグから検索
Please reload

アーカイブ

イベントアーカイブ

© 2017  サイノウラボ

​Supported by Mistletoe, Inc.